悪魔の微笑み





あたしたちは、気付いたら狭い道にいた。

中世を意識したような石畳が続いているが、人の気配すらない。

メイン通りを離れてしまったのか。

それとも輝が人を寄せ付けないようにしているのかとさえ思える。

こんな狭い道まで探したのに見つからないなんて!






だが、輝は相変わらず冷静で、




「なぁ、このままだと無駄じゃね?」



痛い現実を突いてくる。




そんなことは分かっている。

だけど、これ以上どうしろって言うのだろうか。







< 272 / 307 >

この作品をシェア

pagetop