悪魔の微笑み




だが……





「ん?お前、処女だな」




金髪は頭から爪先までを値踏みするように見つめ、さらに衝撃的な言葉を吐く。




「ちょうどいいや。

俺が遊んでやるよ」







逃げたい。

気持ち悪い。

消えてほしい。

いや、消えてしまいたい。




そう思うのに、あたしの身体は金縛りにあったように動くことすら出来なくて。

ただ、ありったけの敵意を込めて金髪を睨むだけ。






初キスなんていったら、どんなに甘いものだろうと思っていた。

お互い好きな相手で、見つめあって、ドキドキして……。

なのに、あたしの初キスは、目の前の憎むべき男に奪われてしまった。



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