悪魔の微笑み
どういう意味だろう。
ぽかーんとしているあたしを見て、有希は声を上げて笑う。
心底楽しそうに。
「あたしが忘れたとでも思ってんの?」
「……え?」
「白浜先生と玲がキスしていたことを」
「……え!?」
まじまじと有希を見る。
有希があたしに話しかけてきたのは、輝によって記憶操作をされたからだと思っていた。
でも、意外にも輝は何もしていないようで。
あたしは有希を見たまま、凍りついていた。