悪魔の微笑み




「もう!!あんたが悪魔でも天使でもどうでもいいよ!」




痺れを切らしたように大声を張り上げる有希。

どうやらあたし、混乱しすぎて呪文のように独り言を唱えていたようだ。




「どっちにしても、玲はあたしを助けてくれた。

玲はあたしの大切な友達だからさぁ!」



「……え?」



「今まで一人で悩んでいたんでしょ?

これからは何でもあたしに相談しなよ?」



「有希……」





まるで天にも届くような澄み渡った空の下、あたしは大切な友達の温かさに触れ、大粒の涙を流していた。



< 301 / 307 >

この作品をシェア

pagetop