悪魔の微笑み
「もう!!あんたが悪魔でも天使でもどうでもいいよ!」
痺れを切らしたように大声を張り上げる有希。
どうやらあたし、混乱しすぎて呪文のように独り言を唱えていたようだ。
「どっちにしても、玲はあたしを助けてくれた。
玲はあたしの大切な友達だからさぁ!」
「……え?」
「今まで一人で悩んでいたんでしょ?
これからは何でもあたしに相談しなよ?」
「有希……」
まるで天にも届くような澄み渡った空の下、あたしは大切な友達の温かさに触れ、大粒の涙を流していた。