悪魔の微笑み




分かってる。

掟を破りかけたことくらい、分かってる。



だけど……



だけど、それはあたしの問題だ。

あたし一人の問題なのに。

だから、こんなに頭ごなしに怒鳴らなくても。






涙をぐっと我慢する。

だが、我慢すればするほど、それは上へと上がってきて。

目頭が濡れたことを悟られないように、あたしは大袈裟に目をこすった。


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