悪魔の微笑み



「噛むことねぇだろ」




輝は不機嫌そうにそっぽを向く。




「自業自得よ」




冷たく言い放ってやる。



きっと、輝は気付いていない。

牙が当たったことに。

あたしが噛んだと思っている。






ようやく落ち着いてきたあたし。

牙もなくなり、爪もピンクに変色したことを確認する。

だけど……こんなの初めてだった。

あたしの力が制御不能になるなんて。

輝は、恐るべし人間。




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