悪魔の微笑み
そんなことで、あたしは沢山仕返しをした。
財布を木の葉に変えたり、
用水路に落としたり、
しまいには雷を呼んだり。
それでも輝は物怖じせず、不敵に笑っていた。
完全にあたしの負けだ。
うなだれたあたしに輝が言う。
「いい暇つぶしになった」
どうやらやっと解放してくれるらしい。
何気なく顔を上げたあたしと、輝の視線がぶつかった。
その笑顔が素敵で、かっこ良くて。
かぁっと赤くなってしまうあたし。
何してんだろ、相手はあの鬱陶しい輝なのに。