悪魔の微笑み
「ほぉ……」
別の声が聞こえ、目を開いた。
視界にぼんやり映ったのは、金髪の男の姿。
そいつを見た瞬間、恐怖があたしを襲う。
慌てて身体を起こし、彼を睨んだ。
お兄ちゃんが結界を張ったというのに、なぜか奴は部屋の中にいて。
我が物顔であたしのおやつを食べている。
昨日はあんなに吹っ飛ばしたのに、怪我一つ負っていない。
やっぱり、輝はどこかおかしい。
「ち……ちょっと!
あんた何なのよ!?」
耐えきれず大声を出し、逃げる態勢を整える。
もう、どうなってもいい。
この輝から逃げなければ、あたしの未来はないと悟った。