悪魔の微笑み





どこからともなく聞こえた輝の声で我に返る。





監禁!?



……監禁って!?







なんだか輝は、大きな勘違いをしているようで、本気で怒るお兄ちゃんに、本気で立ち向かおうとしているようだ。





「やめて!!」




思わずそう叫び瞳を開いたら、目の前に白く輝く翼が舞った。

太陽の光が射している訳でもないのに、それは美しくきらきらと輝く。

心の邪念が吹っ飛んでしまいそうな神々しくて尊い羽だった。





その羽の奥にはダルそうに突っ立っている輝が見える。

怒りに燃えるお兄ちゃんを、冷めた目で見ていた。





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