悪魔の微笑み






輝はいかにも悪役というような笑い方で高笑いをした。

腰に手を当てて、ふんぞり返って。

こんな奴が天使なんて到底思えない。

奴こそ悪魔だ。





そんな輝を見て、不快そうに顔を歪めるお兄ちゃん。

赤い瞳が炎を発しそうだ。

そして、お兄ちゃんは怒りに満ちた声を発した。






「監禁……?

玲をてめぇから守っただけだ」




そんなお兄ちゃんを鼻で笑う輝。

いちいち腹が立つ、人を見下したその反応。





「てめぇは誰だ。

どうして俺の邪魔をする」




輝は相変わらずふざけた調子でお兄ちゃんに聞く。

だが、瞳だけは敵意に満ちて燃えていた。






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