悪魔の微笑み
そんなことで、何とか学校まで無事にたどり着くあたし。
自分の席に腰かけて、はあっとため息をつく。
暗いオーラムンムンのあたしを見て、心配した正樹君が声をかけてくれた。
「玲、元気ないけど大丈夫?」
「う……うん!」
笑顔で取り繕うあたし。
関係のない正樹君にまで迷惑をかけたらいけないと思ってしまう。
だが正樹君は、なおも心配そうにあたしを見ていて。
「ごめんね。この前の映画の件」
急に謝った。
何が何だか分からずに、言葉を返せないあたし。
そんなあたしを見て、正樹君は心底申し訳ないというような顔で付け加えた。
「玲、ストーカーに付きまとわれているんだって?
映画に来れなかったのは、ストーカーのせいなんでしょ?」