悪魔の微笑み





そして迎えた一限目……





「起立、礼」




いつものように授業が始まる。

白衣を着た山ちゃんは、「白浜先生」がいるからいつもより張り切っていて。

得意げな顔で頭を下げた。




一方、だらだらと頭を下げるあたし。

輝に見つからないように、前の人の陰に隠れた。





だが、現実は甘くない。

いや、輝の妖術にかかっているのかもしれない。

山ちゃんは教室をぐるりと見渡し、あり得ない言葉を吐いた。






「そうだな……

森野の後ろ、席が空いてるな。

白浜先生にはあの席に座ってもらおう」





「は……はぁぁぁぁ!?」




あたしは思わず大声を発していた。




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