悪魔の微笑み
そんなことより……
そんなことよりも……
「何であんたがここにいるわけ!?」
あたしの幸せな学校生活を脅かすなんて。
ありったけの敵意を込めて睨む。
だが、奴には敵意なんてどうでもいいらしく、
「俺様は先生だ。
俺様に向かって何だその口の聞き方は」
逆ギレされる。
いや、先生といっても教育実習生なだけでしょ。
おまけに、その建前すら怪しい。
言葉を返すのも嫌になり、ぷいっと横を向いた。
こんなあたしを、輝はじーっと見ていた。
嫌らしく口角を釣り上げて。
敢えてそれを気にしないようにして、
「あぁ、片頭痛が……」
わざとらしく頭を押さえた。
あたしはあんたに構っている暇はない。
放っておいて。
全身からそんなメッセージを発していた。