悪魔の微笑み




そんなことより……



そんなことよりも……






「何であんたがここにいるわけ!?」




あたしの幸せな学校生活を脅かすなんて。





ありったけの敵意を込めて睨む。

だが、奴には敵意なんてどうでもいいらしく、




「俺様は先生だ。

俺様に向かって何だその口の聞き方は」




逆ギレされる。




いや、先生といっても教育実習生なだけでしょ。

おまけに、その建前すら怪しい。




言葉を返すのも嫌になり、ぷいっと横を向いた。





こんなあたしを、輝はじーっと見ていた。

嫌らしく口角を釣り上げて。

敢えてそれを気にしないようにして、




「あぁ、片頭痛が……」




わざとらしく頭を押さえた。




あたしはあんたに構っている暇はない。

放っておいて。




全身からそんなメッセージを発していた。



< 89 / 307 >

この作品をシェア

pagetop