悪魔の微笑み
だが……
「それはいけねぇな」
そう言って不意にあたしの肩を掴む輝。
そのままぐいっと引き寄せられ、輝と向かい合った形になる。
不覚にもその綺麗な顔にやられてしまい、真っ赤になるあたし。
そんなあたしを見て、満足そうに輝は口を開いた。
だが、その言葉に唖然としてしまった。
「お前、俺に惚れてるだろ」
開いた口が塞がらない。
いや、顎すら外れたかもしれない。
あたしが惚れている!?
冗談じゃない。
この男は、どれほど自分に自信があるのだろう。
ナルシストもいいところだ。
あたしはバカ面で、穴の開くほど輝の綺麗な顔を見つめていた。