悪魔の微笑み



それを確認するや否や、あたしを見下ろして勝ち誇った笑みを浮かべる輝。



マジで……

マジで、消してやりたい!!







やがて、ムネリンの姿が見えなくなると、




「行くぞ、保健室」




奴はあたしにそう言った。







やっとあたしを開放してくれるのか。

そう思い安心したが、何かがあたしの胸に引っかかる。





保健室……?

待てよ。

保健室って、よく漫画とかで間違いが起きてしまう場所だ。

もし、保健の先生がいなかったら……





その先を想像して、再び震えるあたし。

全身の血の気が引いた。





よろめく足で、よたよたと立ち上がる。

そして、敢えて元気なフリをしてこう言った。




「もう元気になったから、教室に戻ります」




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