悪魔の微笑み
その後、何とか教室に戻ったあたしは、上の空で授業を聞いた。
何しろ後ろに輝がいると思うと、身動き一つ出来なかった。
正樹君が心配そうにあたしを見ていたが、わざと目線を逸らす。
正樹君と仲良くしたら、何となく輝の怒りを買うような気がしたから。
だけど、その行為自体が輝の言いなりになっているようで。
何も反撃出来ない自分をもどかしく思った。
輝は天使だから、少しのいたずらでは効くはずもない。
何か、決定的な弱点はないのだろうか。