悪魔の微笑み




その後、何とか教室に戻ったあたしは、上の空で授業を聞いた。

何しろ後ろに輝がいると思うと、身動き一つ出来なかった。





正樹君が心配そうにあたしを見ていたが、わざと目線を逸らす。

正樹君と仲良くしたら、何となく輝の怒りを買うような気がしたから。

だけど、その行為自体が輝の言いなりになっているようで。

何も反撃出来ない自分をもどかしく思った。





輝は天使だから、少しのいたずらでは効くはずもない。

何か、決定的な弱点はないのだろうか。



< 98 / 307 >

この作品をシェア

pagetop