その奴隷は愛に飢えて
外から入る光が、逆光となって6番目を照らす。
チェグを振り返った6番目の微笑みは、子供のように純粋で、怪力の持ち主だとは到底思えなかった。
「チェグ、世界はこんなにも広い。だから、ね。ボクたちふたりだけの居場所を探そう。
誰にも邪魔されない、愛の巣を探そう」
「そういう趣味はないと言っているだろうに……」
しかし、逆らえないのもまた事実。
たかが奴隷、
されど奴隷。
「んもう、邪魔だなあ」と言って意図も容易くいくつもの鎖を外すこの少年に、たかが図体だけの大人が敵うはずもないのだ。