その奴隷は愛に飢えて

入ってきた男に奴隷は薄ら笑いを浮かべる。舐めまわすようにジットリと見て。



「あれえ、どうして扉の前にいるの?近くにおいでよ」



ジャラジャラと鎖を動かし、こっちこっちと手招きする少年。


少し渋い顔をする男だったが、ここで臆病者とまた嘲笑われては立場がないと思ったか。


大人しく奴隷少年の前まで来た。



「ナンバー54、何故貴様はそうやって意図も簡単に人を殺めるのだ」


「うん?だって、このムサイおっさんたちがボクの穴を狙ってくるんだもん。正当防衛も必要でしょ?」


「殺すことはなかろうに」



【ナンバー54】と呼ばれた奴隷少年は、男に睨まれながらもクスクス笑っている。

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