その奴隷は愛に飢えて
「それとね、ボクの名前は【ナンバー54】じゃないったら」
「聞き飽きた」
「ボクには『6番目の【嫉妬】』っていう名前があるもん」
「……人の話を聞かぬか」
それは何度も聞いた、しかしそれは名前とは言わん。
淡々と告げる男に奴隷少年、もとい6番目は「立派な名前だもん」と言い返す。
「神さまが与えてくれた名前だもの。ボクはこれしかないんだよ。だから、ね。ボクの遊びに付き合ってよ」
「……今、仕事中だ」
「駄目だよ。例え仕事中でも、ボクの相手してくれなきゃ。じゃなきゃ、君たち大人の存在意義なんてないんだよ。
ね、ボクとあそぼ」
「……しばらく待っていろ」