その奴隷は愛に飢えて
何故?とでも言うかのようにチェグを見上げる6番目。その瞳には、無然たる男の姿がうつっていた。
「生憎、そのような趣味はない。そしてもうひとつ、私の気持ちは私が決める。貴様のためだけには生きれな…」
「ど う し て ?」
さも自分を否定されたかのように悲しげな顔でチェグを見上げる6番目。
「もしかして、好きな女がいるの?ねえ、そうなの?そうなんでしょう?」
「答える義務はない。第一、貴様も先程言っていただろう。『ムサイおっさんよりかわいーい女の子がいい』と」
「チェグに比べれば女の子だってただのクズだ。ねーえ、チェグ?ボクは君だけを愛してるの。だから君もボクを愛さなくちゃ」
再び歪な笑みを浮かべる6番目に、チェグは溜め息をついた。