その奴隷は愛に飢えて
そっと6番目から距離をとり、「6番目」と静かに呟く。
「なあに?」
「単刀直入に言おう。私は貴様と馴れ合うつもりはない。ましてや貴様は奴隷だ。管理する者とされる者では、到底結ばれんよ」
「だったら、ボクがどうにかしてあげる」
6番目の言葉に疑問符を浮かべるチェグ。スッ…と6番目は立ち上がり、ジャラジャラなる鎖を引きずって扉の前まできた。
まさか。
目を見開き止めようと足を踏み出すチェグだが、それも叶わない。
「6番目!」
「へへ、ボクとチェグの愛には鋼鉄の扉だって勝てないもんね」
片足を上げ、大きく弧を描く!そうして6番目の足には、怪しい光が灯っていた。
それが扉に当たった瞬間、まるで腐ったかのように鋼鉄の扉がボロボロと崩れていく。