インストール・ハニー
「ねぇ、楓。このゲームのシステム、これからどうなるの?」
「どうって?」
質問を質問で返される。
「楓はあたしのために居て、これはゲームアプリで。クリアってあるじゃん。ゲームクリア。楓の役目っていうのは……」
「青葉を癒してあげること」
「それだけ?」
食いつくように言ってしまう。ゲームのクリアに必要な条件。それが知りたい。
「ゲームのクリアって、どういう風になるの?」
クリア。ゲームで目的を達成すること。
変な事、聞いちゃったのかも。そう思ったのは、楓の表情が曇ったからだ。ぽつんと、あたしの心に不安が浮き出た。
「あ、もしかして、ネタバレだから言いたくない……とか……」
そうだよねネタバレだよね。あはは、と笑ってみたものの、楓の顔は元には戻らない。うーん、どうしよっかな……。困った。
「……」
沈黙が重かった。あたしは立ち上がり、閉じていたカーテンを開けた。楓は、言いたくないみたいだ。それならそれで良いのかも。
窓から見える夜空には、月が出ていた。
「月が出てて……」
「聞きたいか? ゲームのこと」
あたしの言葉に被せるよう、後ろから声がした。またいつもの通り、勉強机の椅子に座っている楓。
「どうって?」
質問を質問で返される。
「楓はあたしのために居て、これはゲームアプリで。クリアってあるじゃん。ゲームクリア。楓の役目っていうのは……」
「青葉を癒してあげること」
「それだけ?」
食いつくように言ってしまう。ゲームのクリアに必要な条件。それが知りたい。
「ゲームのクリアって、どういう風になるの?」
クリア。ゲームで目的を達成すること。
変な事、聞いちゃったのかも。そう思ったのは、楓の表情が曇ったからだ。ぽつんと、あたしの心に不安が浮き出た。
「あ、もしかして、ネタバレだから言いたくない……とか……」
そうだよねネタバレだよね。あはは、と笑ってみたものの、楓の顔は元には戻らない。うーん、どうしよっかな……。困った。
「……」
沈黙が重かった。あたしは立ち上がり、閉じていたカーテンを開けた。楓は、言いたくないみたいだ。それならそれで良いのかも。
窓から見える夜空には、月が出ていた。
「月が出てて……」
「聞きたいか? ゲームのこと」
あたしの言葉に被せるよう、後ろから声がした。またいつもの通り、勉強机の椅子に座っている楓。