インストール・ハニー
「強くなったな、ちょっと」
「……そうかな」
背後から聞こえてくる声。安心する。そして不安にもなる。どっちなの? 両方だけど。
「楓のおかげかもね」
「そっか」
肩に置かれた手が、そっと優しく顎の下に回され、背中にゆっくり体温が伝わってきた。
「ちょっと、邪魔しないって言ったじゃん。これじゃ宿題できないよ」
照れくさい。顔を見られない状態で良かった。これが正面だったら、顔が溶けるほど熱くなっていたに違いない。
「ごめん。ちょっとだけ」
「もー」
背中の体温が心地良い。心音が聞こえるよ。背中に伝わって、心に聞こえるよ。楓が大切だって言ってるあたしの心も、聞こえるだろうか。この体を伝わって。そうだったら、どんなに嬉しいだろうと思った。
***
**
*
「……そうかな」
背後から聞こえてくる声。安心する。そして不安にもなる。どっちなの? 両方だけど。
「楓のおかげかもね」
「そっか」
肩に置かれた手が、そっと優しく顎の下に回され、背中にゆっくり体温が伝わってきた。
「ちょっと、邪魔しないって言ったじゃん。これじゃ宿題できないよ」
照れくさい。顔を見られない状態で良かった。これが正面だったら、顔が溶けるほど熱くなっていたに違いない。
「ごめん。ちょっとだけ」
「もー」
背中の体温が心地良い。心音が聞こえるよ。背中に伝わって、心に聞こえるよ。楓が大切だって言ってるあたしの心も、聞こえるだろうか。この体を伝わって。そうだったら、どんなに嬉しいだろうと思った。
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