インストール・ハニー

 終わっちゃうなっていう気持ちが邪魔して、夜空に向かって打ち上げたロケット花火も、振り回した普通の花火も、もちろん楽しかった。でもパチパチと鳴る音と光で照らされる楓の顔が気になって、そればかりちらちら見ていた。

 最後にやった線香花火はあたしの分すぐ落ちちゃって、楓のはわりと長く点いていた。

 それをじっと見ながら、これからどうなるんだろうっていう不安が燃え上がっていった。


         


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