スーパーヒーロー
オーディション会場は込み合っていた。
僕は、長蛇の列を待つ暇なんて全然なかったから、何とかならないかと考えていた。

少し太った、自己主張もしそうの無いやつが、なんだかオドオドした様子で前列に並んでいる。
僕は友達になんてなりたくもないそいつに、一時的に親友気取りで近づいて行って、
周りからの白い目に一時的に耐えるだけの忍耐力はかろうじてあった。

5分間の親友とは別れて、
そして、優遇された状況でオーディションを受けた。

< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop