君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
scene.01 鈍行
たとえば私が話しかける。
彼が聞きのがして、なに、と耳を寄せてくる。
たとえば私があくびを隠す。
彼が目ざとく「眠い?」と訊いてくれる。
そんなささいな瞬間に、たまらなく幸せを感じて、彼を好きだと実感する。
高校生みたいだと、我ながら思うけれど。
大人にだって、そういう恋があっても、いいじゃないか。
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