君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
帰り着いたら、もう夜だった。
初めて入る新庄さんの寝室は、シングルサイズのベッドで。
それを、どう受けとめたらいいのかわからずに、たたずんでいると。
「何考えてるか、当ててやろうか」
頭を、優しくかき回される。
当ててほしくてうなずくと、新庄さんがベッドに腰かけて、微笑んだ。
「家具は全部、替えたんだ、はじめに言えばよかったな」
「…リビングも?」
「そう」
じゃあ、あの温かさは、明るさは。
全部、新庄さんのもの。
私がそこから、安らぎをもらっても、いいもの。
そのことが、思っていた以上に嬉しくて、私を安心させてくれて。
手を引かれるままに、抱きあった。