君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
ある意味。
こちらの気持ちが、すでに知られているというのは、とても楽で。
嬉しいのも、戸惑うのも、何ひとつ隠す必要がない。
新庄さんに彼女ができたりしない限りは、もういっそこのままの関係でもいいかな、と思えてくるぐらい。
彩の怒りが目に浮かぶ。
なに丸めこまれてんのよ、と彼女なら激昂するだろう。
だけど、それも気にならないくらい、この人の隣は心地がいい。
「気をつけろよ」
私の歩きやすい箇所を選んで、新庄さんが少し先を行く。
跳ぶように最後の一歩を踏み出した私を、新庄さんは片腕で支えてくれた。
島の、本当の先端。
まっ白な灯台は、意外に小さい。
だけど使命を持っているものだけに存在する健気さが感じられて、可愛い。
「あれ…」
さっきは見えた房総半島が、見えない。
そう言おうとした時、バシャン、と空が割れるような音がして、ぼたりと水滴が身体に当たったのを感じた次の瞬間。
目も開けていられないくらいの水が降りそそいだ。
こちらの気持ちが、すでに知られているというのは、とても楽で。
嬉しいのも、戸惑うのも、何ひとつ隠す必要がない。
新庄さんに彼女ができたりしない限りは、もういっそこのままの関係でもいいかな、と思えてくるぐらい。
彩の怒りが目に浮かぶ。
なに丸めこまれてんのよ、と彼女なら激昂するだろう。
だけど、それも気にならないくらい、この人の隣は心地がいい。
「気をつけろよ」
私の歩きやすい箇所を選んで、新庄さんが少し先を行く。
跳ぶように最後の一歩を踏み出した私を、新庄さんは片腕で支えてくれた。
島の、本当の先端。
まっ白な灯台は、意外に小さい。
だけど使命を持っているものだけに存在する健気さが感じられて、可愛い。
「あれ…」
さっきは見えた房総半島が、見えない。
そう言おうとした時、バシャン、と空が割れるような音がして、ぼたりと水滴が身体に当たったのを感じた次の瞬間。
目も開けていられないくらいの水が降りそそいだ。