【短】君から伝わる体温




中学、高校と陸上をやっている私とは違
って、帰宅部のくせに学年で一番足が速
い北見くん。



それどころか、頭だって良い。いつも上
位3位以内には入ってる。



そんな北見くんに惚れたのは、この前の
テストの後。



勉強の方はからっきし駄目な私は、一教
科、赤点を取ってしまい、追試に。



なので放課後図書室にいって、勉強して
いたら(というかわからなくて唸ってい
たら)。



『どこがわかんねーの』って、北見くん
がやって来て、教えてくれたんだ。



話したのはそれだけ。



でも追試は無事に、自分でも見たことの
ないような点数をとって、友達と喜んで
いたときに。



ふと目が合った北見くんは僅かに微笑ん
だ気がして。



もしかしたら気のせいかもだけど。でも




それで恋に堕ちちゃったんだ。





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