【短】君から伝わる体温




あのあと、やっぱり北見くんは一位で。
カッコいいなあなんて思いながらも、い
つしか午後になっていた。



「美穂、次は団対抗リレーだねっ」



誰かがそう言ってきたのに、ああ、もう
そんな順番か……と思う。



でも、どうしよう……。



なんかくらくらするし、ダルい。



この感じ……熱中症?



伊達に何年も運動していないから、自分
の身体事くらいはすぐわかる。



とりあえず、脱水症状を起こさないよう
に水だけ飲まないと……。



頭を押さえながら、浅い呼吸を繰り返し
席に戻ると、明美が眉を寄せた。



「ちょっと美穂、顔色悪すぎ。大丈夫な
の?」


「大丈夫……。ただの、熱中症……」


「はぁ!?熱中症って───」





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