Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「そ、それ、彼には言ってないですよね?」
「もちろん、言ってないよ」
なぜ、犬の躾をしたかはわからないし、聞いてはいけない気がした。
だが、彼は嬉々としてあの座布団に座っていたようにも思う。
だから、真実を知られるのはまずいと紗綾は思った。
「絶対に言わないで下さいね。本当はそっちに入りたかったみたいですから」
「どうしようかな? 正直うざいところあるし、ついポロポロッと本音が出ちゃうかも」
「先生!」
思わず紗綾は声を上げた。
教師のくせに何て言うことを言うのか。
今日に始まったことではないと言っても、前より毒の量が増えているように感じられる。
「冗談冗談。滅茶苦茶うざいのは紛れもない事実だけど、先生は月舘が嫌がることはしないからね」
嵐は笑うが、説得力はまるでなかった。
教師らしからぬ発言をさらりとするところがいけない。
婚姻届のこともそうだが、その話題を持ち出してしまえば、また懐から取り出して、はぐらかされるのだろう。
「もちろん、言ってないよ」
なぜ、犬の躾をしたかはわからないし、聞いてはいけない気がした。
だが、彼は嬉々としてあの座布団に座っていたようにも思う。
だから、真実を知られるのはまずいと紗綾は思った。
「絶対に言わないで下さいね。本当はそっちに入りたかったみたいですから」
「どうしようかな? 正直うざいところあるし、ついポロポロッと本音が出ちゃうかも」
「先生!」
思わず紗綾は声を上げた。
教師のくせに何て言うことを言うのか。
今日に始まったことではないと言っても、前より毒の量が増えているように感じられる。
「冗談冗談。滅茶苦茶うざいのは紛れもない事実だけど、先生は月舘が嫌がることはしないからね」
嵐は笑うが、説得力はまるでなかった。
教師らしからぬ発言をさらりとするところがいけない。
婚姻届のこともそうだが、その話題を持ち出してしまえば、また懐から取り出して、はぐらかされるのだろう。