Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「きっともう、噂は色々聞いたよね? 聞いちゃったからああいうことになってたんだろうね」
「趣味悪いっスよ。まあ、丁度真偽を確かめたいと思ってたところっスけど」
「噂は事実に近かったり遠かったりするからね」

 見られたくないところを、かなり見られたくない相手に見られてしまったものだ。
 だが、圭斗にとって好都合でもあった。

「部長に逆らうと呪われるとか、部活が廃部にされて廃人になるとか、バックに魔女がいるとか」

 嘘だと明らかに判断できることは圭斗も言わなかった。

「それ、全部、本当だよ。まあ、呪いの方は思い込み的なやつで、部活も勝手にノイローゼになっちゃったとか。魔女っていうのは前の前の……って言うか、部長さん。たまに来るからその内会えるよ。俺はあの人かなり苦手だけどね」

 その話は紗綾から聞いたものなのか。
 彼はオカ研に最も近い男、あるいは、一番の理解者なのかもしれない。
 そんな彼でなければ聞けないことが一つだけあった。
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