Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
思い返せば一年前、紗綾はこんなことになるとは微塵も思っていなかった。
サイキックの存在など大して信じていなかった。
霊能者、超能力者と呼ばれる人間はテレビの向こうの世界の住人であって、自分がいる世界にはいないと思っていたのだ。
それまで自分には霊感があると言う人間は何人かいた。
しかし、それがどこまで本当なのかはわからなかった。証明する術がないからだ。
今ならわかるとも思わない。今更、知りたくもない。
視える視えない以前に、そもそも霊などというものの存在するかさえ否定していた。
否、自分の世界には幽霊などというものは存在しないと紗綾は思っていた。
けれど、今ならいると言える。信じるしかない状況にいるからだ。認めざるを得ない状況に何度か直面している。
彼らと自分の世界が違うとも、もう思わない。見えないだけ、聞こえないだけ、感じないだけで、確かにいるのだ。
そう思わなければ、嵐や十夜、八千草、将仁、マリエ達の苦悩に説明がつかない。
彼らを信じたいから、だから信じるのだ。
魔女の手下になるためではない。
世界は一つであって、感じるか感じないかの問題なのだと。
サイキックの存在など大して信じていなかった。
霊能者、超能力者と呼ばれる人間はテレビの向こうの世界の住人であって、自分がいる世界にはいないと思っていたのだ。
それまで自分には霊感があると言う人間は何人かいた。
しかし、それがどこまで本当なのかはわからなかった。証明する術がないからだ。
今ならわかるとも思わない。今更、知りたくもない。
視える視えない以前に、そもそも霊などというものの存在するかさえ否定していた。
否、自分の世界には幽霊などというものは存在しないと紗綾は思っていた。
けれど、今ならいると言える。信じるしかない状況にいるからだ。認めざるを得ない状況に何度か直面している。
彼らと自分の世界が違うとも、もう思わない。見えないだけ、聞こえないだけ、感じないだけで、確かにいるのだ。
そう思わなければ、嵐や十夜、八千草、将仁、マリエ達の苦悩に説明がつかない。
彼らを信じたいから、だから信じるのだ。
魔女の手下になるためではない。
世界は一つであって、感じるか感じないかの問題なのだと。