Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
それでも、魔の手は確実に迫っていたとでも言うべきなのかもしれない。
紗綾とて部活に入ることを全く考えていなかったわけではない。各部の紹介を見て、香澄とどこがいいかなど話していた。
放課後、勇気を出してどこかを覗いてみようかなどとも思っていたが、結局、それはかなわなかった。
香澄も陸上部に入ることは心に決めていたようだが、一緒に見て回ってもいいと言ってくれたのだ。
だが、それはHRが終った時に起きた。
あるいは、紗綾が気付いていなかっただけで最中から始まっていたのかもしれない。
帰って行く生徒、残って話をする生徒、終わりを待っていたかのように彼はやってきた。
どの学年の色でもない黒のネクタイ、男にしては白い肌と顔の半分近くを隠す漆黒の髪、鋭い瞳がターゲットを探るように周囲を見渡して、紗綾を見た。
紗綾とて部活に入ることを全く考えていなかったわけではない。各部の紹介を見て、香澄とどこがいいかなど話していた。
放課後、勇気を出してどこかを覗いてみようかなどとも思っていたが、結局、それはかなわなかった。
香澄も陸上部に入ることは心に決めていたようだが、一緒に見て回ってもいいと言ってくれたのだ。
だが、それはHRが終った時に起きた。
あるいは、紗綾が気付いていなかっただけで最中から始まっていたのかもしれない。
帰って行く生徒、残って話をする生徒、終わりを待っていたかのように彼はやってきた。
どの学年の色でもない黒のネクタイ、男にしては白い肌と顔の半分近くを隠す漆黒の髪、鋭い瞳がターゲットを探るように周囲を見渡して、紗綾を見た。