Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
どうして、自分がこんな目に。
心細さの中で紗綾は泣きたい気持ちですらあった。
高校生になることは期待よりもずっと不安が大きかった。
ここで何もかも円満に進んでくれれば、少しは希望も持てたかもしれない。
それなのに、運は既に合格したことで使い果たされてしまったのかもしれない。
そもそも、本当に自分は合格したのかとさえ思い始める。
自分ではなく、月館沙稜という人物が本当に存在するのではないか。
妄想は留まることなく、膨らみ続ける。
きちんと番号で確認したのに、あり得ないと思えるほど紗綾は冷静ではなかった。
ただでさえ心配性であるのに、不安は留まるところを知らずに加速する。
そして、紗綾は自覚する。
自分は不運なのかもしれない、と。
不幸ではない。とにかく不運なのだ。
些細な、ほんの些細な、不運という言葉を使うことさえ躊躇われるようなことであるが、頻繁に起きてしまえば、何かがあるのではないかと思わずにはいられない。
心細さの中で紗綾は泣きたい気持ちですらあった。
高校生になることは期待よりもずっと不安が大きかった。
ここで何もかも円満に進んでくれれば、少しは希望も持てたかもしれない。
それなのに、運は既に合格したことで使い果たされてしまったのかもしれない。
そもそも、本当に自分は合格したのかとさえ思い始める。
自分ではなく、月館沙稜という人物が本当に存在するのではないか。
妄想は留まることなく、膨らみ続ける。
きちんと番号で確認したのに、あり得ないと思えるほど紗綾は冷静ではなかった。
ただでさえ心配性であるのに、不安は留まるところを知らずに加速する。
そして、紗綾は自覚する。
自分は不運なのかもしれない、と。
不幸ではない。とにかく不運なのだ。
些細な、ほんの些細な、不運という言葉を使うことさえ躊躇われるようなことであるが、頻繁に起きてしまえば、何かがあるのではないかと思わずにはいられない。