Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「君は聡いね。でも、それが命を縮めるってこともある」
「君子危うきに近寄らずっスか? 俺は危うい方が好きっスけどね」
「まあ、俺もそう思ってた時あるけどね……そう魔女に会うまでは。それまでは平和なボケボケの頭だったよ。実にお幸せな男だった」
「たかが女じゃないっスか。しかも、けばい女。俺、ああいうの全然好みじゃないんスよね」

 魔女は見る者に畏怖の念を抱かせるらしい。力があれば、そのプレッシャーもわかるだろう。
 否、そうでなくとも魔女は恐ろしい人物であるようだ。
 紗綾は彼女に気に入られているらしいが、それでも明らかに怖がっている。
 けれど、圭斗は微塵も恐れない。

「魔女を笑う者は二度と笑えなくなるって言われるくらいだし、たかが女が怖く感じることがあるんだよ」

 嵐の言葉は妙に実感が籠もり、魔女のことだけではないのだろうと思わされる。
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