Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「そういうものに紗綾先輩や俺を巻き込むなんてひどいっスね」
「本当はさ、助けてほしいって言ったら、笑う?」
圭斗としては真実を告白するつもりはないが、笑えもしなかった。
「まあ、俺も人生縛られてるんで、わからないとは言えないっスけど」
「若いのに可愛そうに」
嵐は笑ったが、それは自分が若くないことを認めたようなものだ。
そして、圭斗は自分を可愛そうだとは思わない。
諦めているということなのかもしれなかった。
否、確かに諦めていたのだ。つい先日まで、紗綾を見付けるまでは。
「サイキックって勝手な奴ばっかりだって思ってるんスよ」
「だったら、何でうちに来たの? しかも、残る気満々って感じで。ああ、月舘狙いだっけ?」
「まあ、サイキックに不幸にされた女知ってるんで。でも、救いたいなんて大層なことは思ってないんスよ。敢えて言うなら、見届けてやろうと思っただけで」
考えてみたところで、大した理由はない。
少なくとも、他人に言えるようなものではない。
「本当はさ、助けてほしいって言ったら、笑う?」
圭斗としては真実を告白するつもりはないが、笑えもしなかった。
「まあ、俺も人生縛られてるんで、わからないとは言えないっスけど」
「若いのに可愛そうに」
嵐は笑ったが、それは自分が若くないことを認めたようなものだ。
そして、圭斗は自分を可愛そうだとは思わない。
諦めているということなのかもしれなかった。
否、確かに諦めていたのだ。つい先日まで、紗綾を見付けるまでは。
「サイキックって勝手な奴ばっかりだって思ってるんスよ」
「だったら、何でうちに来たの? しかも、残る気満々って感じで。ああ、月舘狙いだっけ?」
「まあ、サイキックに不幸にされた女知ってるんで。でも、救いたいなんて大層なことは思ってないんスよ。敢えて言うなら、見届けてやろうと思っただけで」
考えてみたところで、大した理由はない。
少なくとも、他人に言えるようなものではない。