Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「あ、あの、何かあったんですか?」

 自分が聞いたところでどうにもならないかもしれない。けれど、聞かずにはいられなかった。

『面倒なことになった』
『ロビンソンがさ、霊を刺激しちゃってさ、なーんか、そっちの方に向かってるっぽい』

 十夜が答えた後に嵐の声が聞こえる。十夜では状況を伝えられないと思ったのだろう。

『すぐに戻る』
『とりあえず善美ちゃんと榊と一緒にいて』
「わかりました」

 きっと、自分にはどうにもできない何かが起こる。
 けれど、彼らがすぐに駆けつけてくれると思えば、冷静でいられた。

「ごめん、念の為に圭斗君と一緒にいないといけないの」
「わかった。あっちに行く」
 善美も何か不穏なものを察したのだろう。素直に応じた。
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