Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
悪魔が来りて皮を剥ぐ
穴に入りたい。
昨日のことを思い出す度に紗綾はそう思ってきた。
消えてしまいたいとさえ思いながらも昼休みになり、紗綾は学食で席を取り、香澄を待っていた。
人のいるところはあまり得意ではないが、香澄がいれば安心だった。
不意に見詰めていたテーブルに影が落ち、紗綾は香澄が随分と早く戻ってきたのだと思ったが、そうではなかった。
「隣いいっスか? 紗綾先輩」
声、口調、思い当たる後輩は一人しかいない。
いいよ、と言おうとして顔を上げた紗綾だったが、相手の顔を見て戸惑う。
「えっと……」
言葉が出なくなったのは目の前にいたのが思い浮かべた人物ではなかったからだ。
鮮やかなオレンジに染められた髪、着崩した制服、胸元にはシルバーのネックレスが輝き、明らかな不良だ。
紗綾の交友関係にはまずいない人種である。
昨日のことを思い出す度に紗綾はそう思ってきた。
消えてしまいたいとさえ思いながらも昼休みになり、紗綾は学食で席を取り、香澄を待っていた。
人のいるところはあまり得意ではないが、香澄がいれば安心だった。
不意に見詰めていたテーブルに影が落ち、紗綾は香澄が随分と早く戻ってきたのだと思ったが、そうではなかった。
「隣いいっスか? 紗綾先輩」
声、口調、思い当たる後輩は一人しかいない。
いいよ、と言おうとして顔を上げた紗綾だったが、相手の顔を見て戸惑う。
「えっと……」
言葉が出なくなったのは目の前にいたのが思い浮かべた人物ではなかったからだ。
鮮やかなオレンジに染められた髪、着崩した制服、胸元にはシルバーのネックレスが輝き、明らかな不良だ。
紗綾の交友関係にはまずいない人種である。