Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「薄々、魔女が帰るんじゃないかとは思ってたけどさ、本当にいきなり帰ってるとはね。ビックリだよ。何でも許されちゃうけどさ」

 嵐は溜息を吐く。
 少し落ち着かない様子で電話をしているのを見ればそう思うだろう。

「ああなること、聞いてなかったんスか?」

 可能性としてそういうことがあるとは話しておくべきだろう。仮にも彼女は主催者である。
 そして、嵐は監督という立場にある。

「うん、全然、黒羽は別のところで聞いてたかもだけど」
「俺には関係のないことだ」

 紗綾には嵐の言葉の意味がわかったが、同時に十夜が関係ないと言うこともわかる。
 深く関わりながら、彼はいつだって受け入れることを拒んでいるのだから。

「でも、本当に何もなかったとは思えないんだよね」

 嵐の疑いの眼差しを向けられた圭斗は肩を竦めた。
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