Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「信じて、信じてよ! ねぇ!」
「信じるよ」
紗綾には見えない。けれど、信じないわけではない。
しかし、見えないからこそ、対処できないのだ。
緊急事態だと助けを呼びに行こうとしたが、その腕が掴まれる。
「やだっ……行かないでよ!」
「でも、誰か呼ばないと……」
「一人にしないで!」
このままでは、このままではいけない。
そう思うのに、動けない。
いっそ、誰かに電話するかと思うものの、肝心の携帯電話に届かない。
「怖い、怖いよ!」
「大丈夫、大丈夫だから」
何が大丈夫なのかわからないまま、紗綾はただその背中を撫でる。
自分が八千草のような霊媒体質であれば状況は悪化したかもしれないが、そうでないらしいことが幸いだ。
しかし、十夜のように力を持っていれば彼女を救うことができたかもしれないのに、それもまたありえない。
やはり、オカ研に凡人はいてはいけない。
「信じるよ」
紗綾には見えない。けれど、信じないわけではない。
しかし、見えないからこそ、対処できないのだ。
緊急事態だと助けを呼びに行こうとしたが、その腕が掴まれる。
「やだっ……行かないでよ!」
「でも、誰か呼ばないと……」
「一人にしないで!」
このままでは、このままではいけない。
そう思うのに、動けない。
いっそ、誰かに電話するかと思うものの、肝心の携帯電話に届かない。
「怖い、怖いよ!」
「大丈夫、大丈夫だから」
何が大丈夫なのかわからないまま、紗綾はただその背中を撫でる。
自分が八千草のような霊媒体質であれば状況は悪化したかもしれないが、そうでないらしいことが幸いだ。
しかし、十夜のように力を持っていれば彼女を救うことができたかもしれないのに、それもまたありえない。
やはり、オカ研に凡人はいてはいけない。