Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
考えても仕方がないことを考えた時、静寂に支配されていた部屋の扉を叩く音がやけに大きく響いた。
ビクリと震えた善美に痛いほど強く抱き着かれ、戸惑いながら紗綾は扉を見詰めた。
「誰、ですか……?」
誰かがいる、そう確信して紗綾は問いかける。
ラップ音などではないと思うし、そもそも心霊現象と思わない。
真っ先に幽霊がいるとは考えない。サイキックがいると言えば、いるのかと他人事のように思うだけだ。
「俺っス」
その声に紗綾は安心する。
「圭斗君……?」
「俺の眷属、見張りに付けておいたんス。まあ、俺だけじゃないんスけど」
善美が見たと言う大きな犬、それが彼の眷属――彼を守護する霊らしい。
ビクリと震えた善美に痛いほど強く抱き着かれ、戸惑いながら紗綾は扉を見詰めた。
「誰、ですか……?」
誰かがいる、そう確信して紗綾は問いかける。
ラップ音などではないと思うし、そもそも心霊現象と思わない。
真っ先に幽霊がいるとは考えない。サイキックがいると言えば、いるのかと他人事のように思うだけだ。
「俺っス」
その声に紗綾は安心する。
「圭斗君……?」
「俺の眷属、見張りに付けておいたんス。まあ、俺だけじゃないんスけど」
善美が見たと言う大きな犬、それが彼の眷属――彼を守護する霊らしい。