Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
救われた者、救われない者
翌日の教室で野島は何事もなかったかのようだった。
今まで通り彼は友達と話し、目が合うこともない。
だが、それでいいのだが、どこか寂しい気持ちもある。
友達になることが無理なことぐらいわかっているが、諦められたら十夜のようになっていたかもしれない。
どう足掻いても彼のようにはなれない。
放課後、部室に向かう前、紗綾は香澄から屋上に行くように言われた。
そこに待っていたのは野島だった。
「いや、ほんと助かったよ! マジで! 何があったか、全然わかんねぇけど、兄貴はすっかり落ち着いてさ」
「良かった……」
解決したとわかっていても、やはり本人の口から聞くと、ほっとするものである。
野島には十夜が何かしたようには見えなかっただろう。
けれど、彼は確かに何かをしたのだと紗綾は思っていた。正確には、眷属にさせたのかもしれない。
尤も、全ては推測に過ぎないのだが。
今まで通り彼は友達と話し、目が合うこともない。
だが、それでいいのだが、どこか寂しい気持ちもある。
友達になることが無理なことぐらいわかっているが、諦められたら十夜のようになっていたかもしれない。
どう足掻いても彼のようにはなれない。
放課後、部室に向かう前、紗綾は香澄から屋上に行くように言われた。
そこに待っていたのは野島だった。
「いや、ほんと助かったよ! マジで! 何があったか、全然わかんねぇけど、兄貴はすっかり落ち着いてさ」
「良かった……」
解決したとわかっていても、やはり本人の口から聞くと、ほっとするものである。
野島には十夜が何かしたようには見えなかっただろう。
けれど、彼は確かに何かをしたのだと紗綾は思っていた。正確には、眷属にさせたのかもしれない。
尤も、全ては推測に過ぎないのだが。