Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「これ……兄貴と母さんがどうしても持って行けって言うから、部のみんなで食べてくれよな。ほら、月舘からの差し入れってことでさ。それなら、いいだろ?」

 グイッと野島から押し付けられた紙袋には二つの包装紙に包まれた箱が入っていた。

「うん、喜ぶよ」

 実は、差し入れについては直接渡すのでなければ、許可されているのである。だから、紗綾もこういうことは初めてではない。

「母さんは、黒羽先輩を食事に招待したいって言ってたんだけどな……」

 十夜にはそういう触れ合いが必要だと紗綾は思が、できないのだ。オカ研の掟には従わなければならない。
 ただ厳しいわけではない。それは彼らを守るためにあるのだから。
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