Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「大体、悲惨なの、二人もついてて癒されるわけないっしょ?」

 圭斗はうんざりしたように言った。

「あー、空気が読めなすぎる、あの二人ね」
「最悪のカップルっスよ。うざすぎ」

 圭斗は散々振り回されたのだろう。紗綾もあの二人についていける自信はなかった。

「いいじゃん、別に。あそこに魔女がいたら修羅場だよ? 八千草って昔はあれ一筋だったんだから」
「趣味悪いっスよ、ほんと」

 紗綾は去年のことを思い出す。魔女が来る度に、光だけはいつも喜んでいた。
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