Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「お節介かとは思いましたが、見付ける手伝いをしましょう」
「でも……」
知らない人に手伝ってもらうようなことではないだろう。紗綾でも断る。
けれど、彼はすっと両手を出した。
「手を出してください、両手を」
誘導されるように女子生徒が両手を出す。そこに彼の手がそっと重なる。
「さあ、目を閉じて、強く思い浮かべてください。あなたの大事なものを、見付けたい者を」
まるで、圭斗に眷属を見せてもらった時のようだと紗綾は思った。
彼はどこか初めて会った時の圭斗に似ているのかもしれない。
今でこそオレンジの髪をしているが、あの時はわざとらしいほど黒く染めていた。
「もう一度、よく鞄の中を探してごらんなさい。」
彼が手を離して微笑む。
女子生徒はまだその手を繋いでいたかったかのように呆けていた。
「ひっくり返したらきっと出てくると思いますよ」
女子生徒は、言われるがまま自分の鞄を掴んで、テーブルの上に全ての荷物を出した。
「あ、あった! 何回探しても見つからなかったのに!」
女子生徒は嬉しそうに腕時計を握り締め、それから腕にはめる。
そして、彼は踵を返していた。
「でも……」
知らない人に手伝ってもらうようなことではないだろう。紗綾でも断る。
けれど、彼はすっと両手を出した。
「手を出してください、両手を」
誘導されるように女子生徒が両手を出す。そこに彼の手がそっと重なる。
「さあ、目を閉じて、強く思い浮かべてください。あなたの大事なものを、見付けたい者を」
まるで、圭斗に眷属を見せてもらった時のようだと紗綾は思った。
彼はどこか初めて会った時の圭斗に似ているのかもしれない。
今でこそオレンジの髪をしているが、あの時はわざとらしいほど黒く染めていた。
「もう一度、よく鞄の中を探してごらんなさい。」
彼が手を離して微笑む。
女子生徒はまだその手を繋いでいたかったかのように呆けていた。
「ひっくり返したらきっと出てくると思いますよ」
女子生徒は、言われるがまま自分の鞄を掴んで、テーブルの上に全ての荷物を出した。
「あ、あった! 何回探しても見つからなかったのに!」
女子生徒は嬉しそうに腕時計を握り締め、それから腕にはめる。
そして、彼は踵を返していた。