Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「とにかく、あなたがしていることこそお節介で、みんなを困らせているってことをわかって下さい」
「大層な口を利くじゃないの。でも、そうかもしれないわね。だって、手を出さずにはいられないじゃない?」
「同意を求められる意味がわかりません」

 きっぱりとはね除けて、将也は紗綾の手を取る。促されるままに紗綾も立ち上がる。

「では、失礼しますよ」
「またね、お姫様」

 もう用は済んだとばかりに鈴子は手を振る。けれど、紗綾は何も言えなかった。

「また、なんてありませんよ」

 そう言って、将也は紗綾の手を掴み、応接室から出た。
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