Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
白王子の策略
感謝すべきか否か。
文化祭二日目、一般公開日当日、紗綾は固まっていた。
更衣室で嵐から預かっていた袋を開け、中身を引っ張り出したままで。
「違う……」
呆然と呟く。
違うのだ。春に渋々着た服とは違う。
手違いであったなら、着なくて済むだろうか。
残念ながら、この場合は着るしかないのかもしれない。
「紗綾? どうしたの?」
後ろかけられた香澄の声に紗綾は、ぐぎぎぎぎ……と振り返る。
どうしたらいいかわからず、首から下は未だに固まっている。
「うわっ……」
紗綾を硬直させた正体を見て香澄は思いっきり顔を歪めた。
「さすがって言うべきか、なんて言うべきか……いや、やっぱり、さすがクッキー……生徒が考えることはお見通しって感じ。実は千里眼とか?」
小声で香澄は言う。
嵐から受け取って、確認するべきだったのだろうか。
当日まで見ないでいようと思ったのが間違いだったのか。
これは良かったと思うべきなのか。
以前と違うと言われたら、どう弁解するべきなのか。
紗綾はぐるぐると考えていた。
文化祭二日目、一般公開日当日、紗綾は固まっていた。
更衣室で嵐から預かっていた袋を開け、中身を引っ張り出したままで。
「違う……」
呆然と呟く。
違うのだ。春に渋々着た服とは違う。
手違いであったなら、着なくて済むだろうか。
残念ながら、この場合は着るしかないのかもしれない。
「紗綾? どうしたの?」
後ろかけられた香澄の声に紗綾は、ぐぎぎぎぎ……と振り返る。
どうしたらいいかわからず、首から下は未だに固まっている。
「うわっ……」
紗綾を硬直させた正体を見て香澄は思いっきり顔を歪めた。
「さすがって言うべきか、なんて言うべきか……いや、やっぱり、さすがクッキー……生徒が考えることはお見通しって感じ。実は千里眼とか?」
小声で香澄は言う。
嵐から受け取って、確認するべきだったのだろうか。
当日まで見ないでいようと思ったのが間違いだったのか。
これは良かったと思うべきなのか。
以前と違うと言われたら、どう弁解するべきなのか。
紗綾はぐるぐると考えていた。