Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
前庭に着くと、どこもかしこも賑わっている。
食べ物の美味しそうな匂いが鼻腔を擽る。
立ち並ぶ模擬店の中から焼きそば屋を見つけ出し、近くまで海斗を連れて行く。
並んでいる人の隙間から見えるのはリアムであり、海斗が眉根を寄せたように見えた。
「えっと……彼も、サイキックです」
「どうりで……」
海斗には感じるものがあったようだ。
尤も、彼は大人しくしている。
「でも、オカ研には圭斗が?」
「やり方に問題があるみたいで……入れるのは一人だけなので」
紗綾にはサイキック事情はよくわからないが、彼らに言わせればリアムは乱暴らしい。
幽霊に暴力を振るうのは十夜の強制除霊とは違うのだろうかと紗綾は思う。
尤も、十夜の場合は踏み切る前に止められるのだが。
「圭斗自身に強い力はありませんが……」
「眷属ですよね? 狼の……」
「ええ、大さんです」
ニッコリと海斗が笑む。
圭斗自身は頼斗と呼んでいるらしいが、気に入られていないらしい。
そして、その大さんという呼び方を気に入っているのだと彼は寂しげに笑い飛ばしていた。
食べ物の美味しそうな匂いが鼻腔を擽る。
立ち並ぶ模擬店の中から焼きそば屋を見つけ出し、近くまで海斗を連れて行く。
並んでいる人の隙間から見えるのはリアムであり、海斗が眉根を寄せたように見えた。
「えっと……彼も、サイキックです」
「どうりで……」
海斗には感じるものがあったようだ。
尤も、彼は大人しくしている。
「でも、オカ研には圭斗が?」
「やり方に問題があるみたいで……入れるのは一人だけなので」
紗綾にはサイキック事情はよくわからないが、彼らに言わせればリアムは乱暴らしい。
幽霊に暴力を振るうのは十夜の強制除霊とは違うのだろうかと紗綾は思う。
尤も、十夜の場合は踏み切る前に止められるのだが。
「圭斗自身に強い力はありませんが……」
「眷属ですよね? 狼の……」
「ええ、大さんです」
ニッコリと海斗が笑む。
圭斗自身は頼斗と呼んでいるらしいが、気に入られていないらしい。
そして、その大さんという呼び方を気に入っているのだと彼は寂しげに笑い飛ばしていた。