Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
彼を追い払ったことに満足したのか、久遠は小さく息を吐いた。
「久遠さん……」
「本当に君は生身の人間に対しては危なっかしいね」
何を言ったのか紗綾にはよく聞こえなかったが、聞き返そうとは思わなかった。
「離れて大丈夫なんですか?」
なぜ、彼がここにいるのだろうか。それが疑問だった。彼はオカ研の客寄せパンダであるのに。
「早めにお昼調達してこいって言われて買い出し」
笑って、久遠は両手に持った服を掲げる。色々な店の食べ物がそこに入っているらしかった。
「今、光君が来てくれてるし、その顔でサービスしてもらってこいって言われて……ひどいよね、うちの親」
永遠子ならば言いかねない。紗綾は妙に納得してしまう。
「大体、焼きそばとかって男の子が作ってるでしょ? 母さんが行けば心なしか大盛りになると思うんだけど、嵐さんまで『お前は両刀だから』とか言うんだよ? まあ、この通り大量なんだけど」
成果はあったようだ。
「さすがに汁物運ぶのは大変だから配達頼んじゃった。おでんとかカレーとかうどんとかさ」
デリバリーのサービスなどあるのだろうか、紗綾は首を傾げる。だが、彼に頼まれれば断れないだろう。
「久遠さん……」
「本当に君は生身の人間に対しては危なっかしいね」
何を言ったのか紗綾にはよく聞こえなかったが、聞き返そうとは思わなかった。
「離れて大丈夫なんですか?」
なぜ、彼がここにいるのだろうか。それが疑問だった。彼はオカ研の客寄せパンダであるのに。
「早めにお昼調達してこいって言われて買い出し」
笑って、久遠は両手に持った服を掲げる。色々な店の食べ物がそこに入っているらしかった。
「今、光君が来てくれてるし、その顔でサービスしてもらってこいって言われて……ひどいよね、うちの親」
永遠子ならば言いかねない。紗綾は妙に納得してしまう。
「大体、焼きそばとかって男の子が作ってるでしょ? 母さんが行けば心なしか大盛りになると思うんだけど、嵐さんまで『お前は両刀だから』とか言うんだよ? まあ、この通り大量なんだけど」
成果はあったようだ。
「さすがに汁物運ぶのは大変だから配達頼んじゃった。おでんとかカレーとかうどんとかさ」
デリバリーのサービスなどあるのだろうか、紗綾は首を傾げる。だが、彼に頼まれれば断れないだろう。